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編集部レビュー
本作は電車という限定空間で『穴と棒』という相反する存在が予期せず出会うという奇想天外な設定が軸。サラリーマン男性と乗客女性という立場の異なるふたりが、繰り返される偶然の接触に翻弄される様が描かれていく。痴漢ものの枠を意図的に外しながら、そこに付随するシチュエーションを活用する着眼点がユニークだ。
コマ割りの詰まった画面構成で、テンポよく場面が遷移していく。連続絶頂や筋肉描写といった要素が登場するたび、キャラクターの反応が誇張されて表現され、ギャグとしての効果が高まる仕掛けになっている。短編群としての構成により、同じシチュエーションが反復されながらも毎回異なる展開をもたらす。
この作品は状況の理不尽さと両者の対応のズレを楽しむ読み手向けで、因果関係のあいまいさや「ただ出会ってしまった」という逃げ口上をそのまま受け入れられるかどうかで評価が分かれる。深い物語性や心情掘り下げを求める層には向かない。
こんな人向け
- シュールなエロギャグが好きな人
- 短編形式で読み切りたいときに向く
- 因果関係より反応の面白さを重視する読者
逆に、こんな人には向きません
- 痴漢ものとして真面目な展開を求める人
- 物語的な起承転結や感情移入を軸にしたい人
この記事を編集・執筆した人
YULI(ユリ) ヨミバコ編集部・女性向け/BL作品担当
元同人漫画メディア編集長。年間1,200冊以上の漫画を読み、数多くの作品に触れてきました。コミックマーケットにも毎回参加し、新しい作品や作家、同人文化の動向を追っています。
編集者として培った視点を活かし、登場人物の関係性、心理描写、物語の温度感、甘さや切なさといった読後感まで整理して、作品選びに役立つ情報を紹介しています。
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